教会を守る姉妹に使える家政婦バベットが、実はパリのバリケードを逃れた料理の芸術家だったという「バベットの晩餐」。江戸文学に詳しい田中優子氏が「ヴァルキューレ」と「普賢菩薩」を引いて解説している。自らの宿坊だったパリの上流階級をバリケードの側からうちこわした芸術情報バベットが、ノルウェーの寒村に宿ったとき得た奇蹟を描く。田中優子氏は存在の重層性を、文化を重ねて読んでみせる。映画になっている一方、原作には短いけれど重要な事柄が解説されている。

  • バベットの晩餐会 (ちくま文庫)
  • 著者:イサク ディーネセン
  • 販売元:筑摩書房
  • 発売日:1992-02

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